■小さいけどその存在感は大きい、乾電池
わたしたちの生活に欠かせない乾電池。ラジオなどの「音」、懐中電灯などの「光」、点火ヒーターなどの「熱」、リモコンなどの「動力」としてさまざまなシーンで活躍しています。また、携帯電話の簡易充電機器としても使われるなど、災害時や外出先に力を発揮することから「災害で必要なもの」にも上位にランキングされています。
世界最古の電池はバグダッドの『つぼ型電池』で今から約2000年前といわれています。その後、イタリアの物理学者ボルタが1800年に「ボルタの電池」を発明しました。電圧の「ボルト」はボルタの名前に由来しているそうですよ。
電池は使いきりタイプの一次電池であるマンガン・アルカリ・リチウム、充電して繰り返し使用できる二次電池のニカド・蓄電池、長寿命である物理電池の太陽電池・電子力電池に大別されます。最近発売されたオキシライドはアルカリ電池ですが、従来のアルカリの約1.5倍パワフルで長持ちとあって、40年ぶりの「発明」に熱い視線が注がれています。さて、乾電池は使用品に向き・不向きがあるのをご存じですか?よく言われるのが、時計にアルカリは×、ですがこれは間違い。時計はアルカリもマンガンもOKです。ただし懐中電灯などにオキシライドを使用すると電池の力が強すぎてしまうので、注意が必要です。適材適所に使うことによって電池の能力は最大限に発揮されるのですね。
最後に電池と上手につきあう方法をご紹介しましょう。液漏れを防ぐために使用済みの電池はすぐ取り除き、長期間使わない電化製品の電池ははずしておく。マンガンとアルカリを混ぜたり異なるメーカーの電池を使わない。電池寿命も短くなり不経済です。電池を取り替える時は一斉にすべてを取り替える。使用推奨期限内に使い始める。保管する時は、涼しく湿気の少ない場所がベストですが、よく言われる「冷蔵庫に入れて保管すると長持ちする」は逆に電池に結露した水分で錆びや放電の原因にもなるので避けること。
今後は、宇宙生活で使える長寿命タイプやガソリンに代わるエネルギーとなる燃料電池、紙のような薄さの電池などの開発が期待されています。
※参考:FDK株式会社、三洋電機株式会社、松下電器産業株式会社